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オフ会でケンシロウ伝ZEROを観た後&我が心の友、群崎さんのブログでウッカリ萌えてしまったネタ
ジュウザ兄×ケンシロとユリアの娘でっせ!!

いや、だっておにゃのこが生まれてたらケンシロは絶対他の人に預けちゃうもの~
「み…水」の野郎がオナゴなど育てられるわけ無いわYO!!(ひどい言い草)

そんなわけで、ウッカリ萌えてウッカリ書いてしまった二次創作
群崎さんに捧げちゃいまっす!

読んでくださる方は続きからどうぞー

*拝啓、女神様*


季節は冬、クリスマス前の街は世界がどれだけ荒れていようと浮き足立っていた。
今日は街の広場にクリスマス期間限定でサーカス団が来るという。
街のあちらこちらに貼られたチラシのいくつかは地面に落ちて踏みつけられていたが、いくつかは楽しそうに破顔した人々の手に握られていた。
暗い事ばかりの世界でも、人々の心に娯楽を楽しむ余裕が出来始めていた。
夕闇も深くなり、空が鮮やかな橙から深く艶やかな紫に変わる頃、繁華街を一人の少女と一人の男が歩いていた。

「遅い!もっと早くっ!」
「わーったよ、そんなに急かせんな」

賑やかにざわめく街で、人ごみをすり抜けて駆ける少女の後を一人の男がゆったりと追う。
前を走る少女はまだ幼く、ぱたぱたと走るもなかなか男との距離は離れない。
それでも瞳を輝かせ、男を急かしながら前を行く彼女に、男は肩を竦めて笑った。

 

彼女が彼の元に来たのは2年ほど前だ。
彼の義理の弟が、彼女を連れて彼の元にやってきたのである。
すやすやと眠っている少女を腕に抱いた義理の弟は、彼に申し出た。
曰く、この子を預かってくれ、との事。
彼は怒り、義理の弟に掴みかかった
しかし娘が目を覚ましそうだったので拳を収めた。

結局、彼は娘を預かることにした。
子供に罪は無い。
この子が不快な思いをする必要はこれっぽっちも無いのだから。

 

「ジュウザ!もっと急いでったら!」

いつの間にか、彼の前を歩いていた少女は立ち止まって頬を膨らませていた。
膨らんだ頬がリンゴのように赤くて、ジュウザは噴出しそうになるのを堪える。
ここで笑ったら、お姫様の機嫌が更に悪化する。
腰に両手を当てて、怒っているんです、と全身でアピールする少女に、ジュウザはさも物分りのいい男のようにしゃあしゃあと言ってのけた。

「急いでるぜ、全速力だ」
「うそ!もう、だらしがないわねっ」
「そんなに急がなくても、目当てのモンは逃げてきゃしねぇよ」
「いい席を取るために早く行くのよ!」

ほら早く、と不意に少女がジュウザの左手を掴んだ。
己の掌よりも小さな少女の手の感触に、思わずはっとする。

少女の手は、あの頃の彼女によく似ていた。

「どうしたの?」
「あ…いや。なんでもねぇ」

自分を覗き込んできた少女の栗色の大きな眼も、彼が知る女のものとよく似ている。
似ていて当然だった。
少女はジュウザが世界で一番大切だった女の娘なのだから。
なんでもねぇよ、と笑って、ジュウザが少女の柔らかい髪を撫でてやると、彼女はにっこりと微笑んで彼に言った。

「なら、早く行きましょ。そうだわ、ついでに何か甘いものが食べたい!」
「お前は食ってばっかだな。そのうちぷよぷよの仔豚みたいになっちまうぜ?」
「ああっひどい!ジュウザのバカ、こぶたになんかならないもん!」
「そうやって膨れてる顔が仔豚みてーだっつーの」
「なぁんですってー!!」

自分の腰あたりまでしかない小さな少女に足を叩かれ、ジュウザはけらけら笑いながら降参のポーズをとった。

「いてて、わかった悪かった、降参だ」
「もう。今度レディに失礼な事言ったらただじゃすまさないわよっ」
「ああ、悪かったよ、お姫様」

少女の力では全く痛くも痒くもなかったが、ジュウザはいつも負けて反省する振りをしてみせる。
少女を泣かすような事だけはしないと誓っているからである。
姫を守る騎士は姫を泣かせてはいけないのだ。

「で、何が食いたいんだ?」
「うーん…あっ!あれがいいわ!」

少女が指差したのは、割り箸に刺さった、赤くて丸い果実の砂糖漬け。
屋台の真ん中で、照明を受けてルビーのようにキラキラと光っていた。
見れば少し値が張るが、姫君の所望は絶対である。

「よし、じゃあ一緒に買いに行くか。一番大きいやつ、選びな」
「やった!」

少女は店の前に立つと、どれが一番大きいかうんうんと唸って、数分後、端にあったものを指差した。
ジュウザが代金を支払い、少女はつやつやと光る宝石のような果実を手にして嬉しそうに彼を見た。

「ありがとう!大好きよ、ジュウザ!」

腰に抱きついてきた少女の手から果実が落ちないように注意して、ジュウザは少女の頭を撫でた。

だいすき。

いつか、あの頃の彼女にも言われた言葉だ。

 

『ジュウザ、だいすき!』

 

もう彼女の口からは聞けないが、いつまでも彼の心の中で繰り返される声。

「…いいってこった。落とすんじゃねぇぞ」
「わかってる!ふふ、キレイ」

少女は手にした赤い果実をうっとりと眺めている。
小さな姫の横顔が、かつての彼女と重なった。


(―――ユリア、俺は)


昔の事を思い出しそうになったジュウザの耳に、サーカスの始まりを告げるラッパの音が響いた。

「あ!」
「おっと…もう始まりそうだな」
「いけない、急がなきゃ!」
「しょーがねぇ…」

駆け出しそうになった少女を抱え込んで、ジュウザは人ごみに突っ込んだ。

「きゃぁぁ!ジュウザ、落ちちゃうー!」
「ちゃんと捕まってろよ!すぐ着く!」

男と少女が人ごみに消えた後、喧騒の中から歓声が上がった。

 


『Ladies and Gentlemen!!さぁさぁ、夢の一時の始まりだ!』
 

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北斗オタク歴6年の20代。
北斗の拳への愛を糧に日々生きています。
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